高脂血症とは
高脂血症とは、またの名を脂質異常症、高コレステロール血症とも呼ばれている最近急激に増えてきた生活習慣病(成人病)の一つで、血液中の脂質(脂肪)、特にコレステロールと中性脂肪(トリグリセライド)が増えた状態のことをいいます。
高脂血症は「沈黙の病気(Silent Disease)」といわれ、血中脂質が異常に増加しても痛くもかゆくもなく殆どの場合において全く自覚症状がないのが特徴です。
血中脂質にはコレステロール、リン脂質、中性脂肪、遊離脂肪酸などがありますが、血液中に多い脂質の種類により以下の通り高脂血症のタイプが決まってきます。
- 総コレステロール値が高いタイプ
- 中性脂肪値が高いタイプ
- 両方の値が高いタイプ
血中脂質が高い状態が続くと狭心症、心筋梗塞などの心臓病にかかる危険性が高くなるので注意が必要です。
高脂血症は一般に血中の総コレステロール値が220mg/dl似上の場合を指しますが、この10年間で高脂血症の割合は1.5〜2倍にも増えており、早急な対策が必要とされている病気の一つになっています。
(※閉経後の女性は同年代の男性に比べて20mg/dl高い240mg/dl以上と言われています)
高脂血症は全く自覚症状がない
高脂血症は生活習慣病の中でも特に自覚症状がないのが特徴ですが、総理府が行った調査でもそれが裏付けられています。
高脂血症についての感じ方は、糖尿病や高血圧症などの生活習慣病に比べ、怖い病気という感じ方を持つ人が少なく、わからないという人も多いという調査結果がでています。
怖い病気とは思わない |
少し怖い病気だと思う |
非常に怖い病気だと思う |
わからない |
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高脂血症についての感じ方 |
7.7% |
38.9% |
37.6% |
15.8% |
高血圧についての感じ方 |
7.8% |
37.6% |
52.5% |
2.1% |
糖尿病についての感じ方 |
5.8% |
21.4% |
71.0% |
1.9% |
「生活習慣病に関する世論調査」(平成12年2月総理府)より
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しかし、高脂血症は自覚症状がでた時には、すでに心臓や脳または下肢の動脈硬化が進み、突然、脳梗塞のような脳動脈疾患や狭心症、心筋梗塞などの冠動脈疾患を引き起こすため、高血圧と同様にサイレント・キラー(沈黙の殺人者)とも呼ばれている怖い病気なんです。
高脂血症の合併症は血液サラサラで予防
高脂血症とは、血液中の脂質(コレステロールや中性脂肪)が増えた状態で、血液の粘り気も増しています。つまり血液がドロドロになった状態です。
この状態が長く続くと血管内壁に脂質が沈着し動脈の壁が厚く硬くなっていき、動脈硬化が進行していきます。
その結果、心臓では狭心症や心筋梗塞、脳では脳梗塞など命にかかわる恐ろしい合併症を招きやすくなるのです。これが高脂血症の本当に怖いところです。
こうなる前に、まずは適切な食事や運動等の生活習慣を見直すことが重要になってきますが、それとともに血液サラサラ状態にいち早く持っていくことが重要になってきます。