生活習慣病の予防が脳卒中の予防につながる
脳卒中の危険因子として上げられるのは、高血圧を始め、動脈硬化・糖尿病・心房細動(不整脈)・高脂血症(脂質異常症)というのが一般的な考え方となっています。
これらは、一般的に生活習慣の乱れからくる生活習慣病と言われるものですので、喫煙や過度の飲酒・運動不足・ストレスなどに関わる、いわゆる生活習慣病を引き起こす危険因子が多くなるような生活を避けることが、すなわち脳卒中の予防にもつながることは覚えておきたいものです。
但し、時代によって新しい研究結果や実験結果が発表され、危険要因の重要度が変わってくる可能性もありますので、常に新しい情報には耳を傾けていく必要があります。
しかしながら、例えば高血圧が脳卒中において最も警戒すべき危険因子と分かっている場合でも、たとえば脳塞栓のように高血圧との関係が薄い疾患もあったりするので、高血圧だけに対する予防手段をとることなどは出来ません。
また、降圧剤などを服用してはならないケースもありますので、薬を服用すれば良いというものでもありません。
つまり、脳卒中といっても様々なタイプの脳疾患を含んでいる場合があるので、特定の予防策が即、脳卒中全般の予防に対して有効に作用するとは言えないわけです。
したがって、高血圧や動脈硬化、糖尿病といった生活習慣病を引き起こす要因となる生活習慣の乱れを改め、生活習慣病の予防を心がけることが、最善の脳卒中予防につながることになります。
そして、生活習慣病の最も根本的で共通した危険因子とされる血液ドロドロ状態は何を置いても避けなければなりません。
脳卒中の予防には日頃の心がけも重要
脳卒中に見舞われる危険性が高い人というのは、ヘビースモーカーの人や高コレステロール、高血圧、運動不足、肥満、過度のストレス、高脂血症、糖尿病などの症状が当てはまる人です。
こういった人は、前述した通り、まずは生活習慣の見直しから始める必要がありますが、日常生活の中で脳卒中を予防する方法も幾つかあります。
まず、脳卒中を予防するため体を冷やさないことが重要となります。暖かい場所から移動する場合、寒暖の激しい所では血管に負担がかかり危険な場合がありますので、特に冬場の家庭では、トイレや入浴する際の脱衣場が要注意です。
入浴時は湯船のフタを取り、浴室に湯気を充満させるなどして、浴室とバスタブの湯との温度差を縮めておくのがいいでしょう。
同様にトイレや廊下でもガウンやスリッパを着けるようにして身体を冷やさないようにしたいものです。
また、外出時にも帽子やマフラー、手袋等で素肌を冷気にさらさないようにすることが脳卒中の発症を避けるには有効です。
そして、突然、体が動かない、言語が不明瞭になる、半身がマヒする、飲食物が上手くのみ込めない、などの異常に気づいたら、迷わず救急車を呼ぶことです。脳卒中の予防にはとにかく日常の心がけがものをいいます。