狭心症の発生原因による分類

狭心症は、発生原因や発症機序による分類で大きく冠動脈硬化性狭心症と冠攣縮性狭心症に分けることができます。
冠動脈硬化性狭心症は、冠動脈硬化により血流が悪くなった状態で運動等を行なった場合に胸痛発作が起こったりするもので、冠攣縮性狭心症は、冠動脈の攣縮の為に酸素の供給が追いつかなくて起きる狭心症ですが、冠動脈硬化性狭心症と冠攣縮性狭心症が同時に起こる場合も多くあります。
以降でそれぞれの詳細について解説します。

冠動脈硬化性狭心症とは?

冠動脈硬化性狭心症とは、冠動脈の内腔が動脈硬化で狭くなって血流が流れにくくなり、その状態で心筋がより多くの血液を必要とする運動などをする時に胸痛が起こるものです。一般的には労作性狭心症がこれにあたり、初期の段階では安定狭心症の状態ですが、冠動脈がより狭くなると不安定狭心症の状態になります。
冠動脈硬化性狭心症の直接の原因である冠動脈硬化は、血圧の低い人にも、高い人にも起こりますが、原因は1つとは限らず、太り過ぎ、動物性脂質の摂り過ぎ、生まれつき脂質の処理能力の弱い人(家族性高脂血症)、喫煙、甲状腺の機能低下、糖尿病、痛風といった生活習慣病などと関係があると言われています。
また、冠動脈硬化は、一般に壮年から老年、特に男性に多く、専門的、事務的な職業の人、社会的にも責任の重い地位にある人がなり易いとも言われています。

冠攣縮性狭心症とは?

冠攣縮性狭心症とは、冠状動脈が一時的に痙攣して細くなり、血流が低下することによって起こる狭心症のことです。
また、冠攣縮性狭心症は、夜に寝ている時や早朝の起きがけ、アルコールを飲んだ後などに安静狭心症として現れる場合が多く、日本においては、安静時狭心症の大部分は冠攣縮性狭心症であるとも言われています。
狭心症の痛みは、労作性狭心症では1〜2分から数分以内に消失しますが、冠攣縮性狭心症の場合は、程度が強く持続時間も数分〜30分も続き、冷汗、悪心、嘔吐、排便さらには意識消失を伴うこともあります。
しかし、持続が1分以内で前胸部のモヤモヤ感程度のこともあり、明らかな自覚症状を伴わない場合もあります。
これは特に高齢者に多く、息切れ、呼吸困難、易疲労感などが心筋虚血発作の症状として現われることもあります。
また、冠攣縮性狭心症の発作は、安静時、特に夜間から早朝にかけて出現しやすいという特徴があり、昼間の労作によって出現することは殆どありません。
冠攣縮性狭心症は、通常の負荷心電図では陰性であることが多いのが特徴で、冠攣縮性狭心症のうち心電図でST波が上昇している場合は異型狭心症と呼ばれます。

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