狭心症の治療
狭心症の症状が出たら、真っ先に循環器内科の専門医に診てもらう必要があります。
狭心症の代表的な症状は、「突然胸が締めつけられるような痛み」や「冷や汗が出る」といった症状です。
こういった症状は心筋梗塞の症状にも同じように見られますが、心筋梗塞ではこれらの症状が30分以上続くので、狭心症のそれとはこの点で異なります。
狭心症はほぼ数分で症状が収まるので放っておかれるケースが多いですが、狭心症は心筋梗塞に進展する可能性もあるので放置することは絶対に避けなければなりません。
ですから、突然の胸の痛みなどの発作が起きたら、必ず病院へ行って検査を受けることが重要になってきます。
病院での検査には様々なものがありますが、検査での診断結果により狭心症であると診断されたら、その診断内容に応じた治療が行われることになります。
狭心症の治療法には、大きく分けて以下の3種類がありますが、具体的な治療方法としては、「冠動脈インターベンション」、「冠動脈バイパス術」、「薬物療法」の3つが代表的なものになり、これらの治療は心筋梗塞の治療で同じように行われるので、詳細については心筋梗塞の治療をご参照ください。
- 内科的治療 ⇒ 生活習慣病の改善や服薬などで危険因子を取り除く治療です。
- 浸襲(しんしゅう)的治療 ⇒ 狭くなった血管を、器具を使って物理的に広げる治療です。
- 外科的治療手術 ⇒ 正常な血管を移植する手術です。
衝撃波で狭心症治療、苦痛なく手術不要の狭心症治療
最近、東北大が開発した狭心症の治療装置が、治療中の痛みは全くないということで話題になっています。
東北大病院(仙台市青葉区)が開発したこの狭心症の治療装置は、狭心症の患者に体外から低出力の衝撃波を当てる新しい治療法であり、手術でも治療が難しかった狭心症が、苦痛なく治療できる可能性が開けたということでニュースで取り上げられていました。
この治療機器は、循環器内科の下川宏明教授が中心となって、スイスの医療機器メーカーと共同で開発したもので、弱い衝撃波を心臓の大動脈が狭くなった部分に当てると、その衝撃が引き金となって周囲に細かい血管が作られ、心臓の血流が改善するというものです。
衝撃波を体外から当てる治療は尿管結石などで昔から広く行われている治療法ですが、2回にわたり計17人の狭心症患者に臨床試験を行ったところ、狭心症の重症度が大きく下がったほか、発作用の治療薬が殆どの患者で不要になったということです。
衝撃波は1回につき200発を50か所に対して当て、それを1日おきに3回繰り返すということです。
1回あたり3時間ほどかかるものの、治療前に麻酔などの必要もなく、痛みも全くないため寝ていれば済むという治療機器なので、「衝撃波はほとんど負担がなく、手術などに耐えられない人にもできる」というように狭心症患者には待望の治療機器になります。
この治療は、厚生労働相が指定する「高度医療」にも2012年3月1日付で承認されています。