痛風に必要とされる運動療法とその注意点について解説します。

痛風には、食事療法とともに大切なこととして適度な運動療法があります。しかしながら運動なら何でもいいという訳ではありません。
痛風の運動療法で大切なことは、激しすぎる運動を行わないようにすることです。
確かに痛風の原因の１つとして運動不足が上げられますが、激しい運動療法は逆に尿酸値を高くしてしまうのです。

以下に激しい運動が尿酸値を高くする原因として考えられるものを4つ上げます。

1. 激しい運動を行うと、ATPという物質が分解されて尿酸を大量に排出する
2. 激しい運動で筋肉に発生する乳酸は、腎臓から尿酸を排出するのを妨げる
3. 運動で汗をかくと体内の水分量が減り、尿酸が濃縮され、濃度が高くなる
4. 汗を大量にかくと尿の量が減り、尿からの尿酸の排出量が減る

このように一般的には体に良いとされる運動も、痛風には逆効果になるものがありますので気をつけたいものです。

痛風の運動療法で特に気をつけたいのは筋力トレーニングなどの無酸素運動です。
無酸素運動では乳酸を大量に発生し、尿酸の排出が妨げられると言うのがその大きな原因です。
逆に痛風の運動療法で行いたいのがウォーキングやジョギングなどの軽めの有酸素運動です。
有酸素運動は主に体脂肪を消費し、肥満の解消にもなります。肥満は痛風の発症と大きな関連性があるからです。
しかし、いくら有酸素運動といっても過度の運動はは禁物です。それは、大量に汗をかくことで尿酸値が高くなる恐れがあるからです。運動療法のときには必ず水分を携帯し、こまめに水分補給することが重要になってきます。
また、最初の頃は、有酸素運動は10分から15分程度の時間から始めるのがいいと言われていますので、あまり無理をせずに自分の体力に合わせて進めていくのがいいと思います。