高血圧治療の目的

高血圧治療は、血圧を下げることと思われがちですが、実は血圧そのものを下げることではなく、血圧が高くなることによって引き起こされる心臓や血管の病気と、さらにそれらの結果としての虚血性心疾患や脳卒中を防ぐことが主体なんです。
高血圧の降圧治療は、高血圧患者に多くの有益な効果をもたらすことが分かっており、高血圧だと診断されたら自覚症状がないからといって放置せずに、早めに治療を始めたほうが良いようです。
また、高血圧と同時に、既に糖尿病や脂質異常症、肥満など、心血管病の多くのリスクを持っている人も治療を受ければより大きな効果が得られるし、もちろん軽症の人だってすぐに治療を始めれば、薬を使わずに血圧を下げることができます。
さらに、高血圧の人が腎不全や心不全、糖尿病など、既に他の病気を持っている場合にも高血圧と並行してそれらの治療が進められます。
多くの生活習慣病は、表面にあらわれた病気は異なっても、危険因子のいくつかは共通しているので同時並行的にいくつかの病気を治療していくことはそんなに難しくないのです。

高血圧改善は肥満解消や生活習慣の改善が重要

高血圧症が本態性高血圧になったり、それが進行したりする場合には遺伝因子とともに環境因子が複雑に絡み合っているので、治療を進める時にも環境因子の多くを占めている生活習慣の改善を抜きにして考えることはできません。
実際に、生活習慣が改善されると血圧を下げる効果があることも分かっていますので、以下のような生活習慣の改善を心がけましょう。

  • 食塩摂取量を制限する
  • 適正体重を維持する
  • アルコール摂取量を適量にする
  • 禁煙する
  • 脂質(飽和脂肪酸やコレステロール)の摂取量を制限する
  • 適度な運動療法をする

血圧を上げてしまうような生活をしていたから高血圧になってしまったので、普段から高血圧を防ぐ食事、生活習慣に変えれば高血圧を予防できるだけでなく、特に軽症高血圧の人は正常範囲まで血圧を下げることだって出来るんです。
さらに、生活習慣をしっかり改善すれば高血圧ではあって薬の服用を軽いものに変えていったり、用量を減らしていったりすることができる可能性もあります。

高血圧は薬を服用していても生活習慣の改善が不可欠

高血圧の具体的な治療は、血圧の高さの程度と高血圧以外の心血管病のリスクがどの位あるのかによって3つに分けられ、それぞれその治療法が違ってきます。
例えば低リスク群は、生活習慣改善を治療の中心としますが、生活習慣の改善を3か月続けても血圧が140/90mmHg未満に下がらない場合には、薬による治療を併用するようになります。
中等リスク群も、まず生活習慣の改善から取り組みますが、低リスク群より早く、1か月後に140/90mmHg未満に下がらない場合には降圧薬治療を併用することになります。
高リスク群と重症血圧患者は、高い血圧のまま放置すると危険なため、最初から生活習慣の改善と薬物療法を同時に始めることになります。
いすれにしても高血圧の治療には生活習慣の改善は欠かすことができませんが、それと合わせて高血圧の直接原因でもある血液ドロドロ状態を改善して血液サラサラにすることも心がけましょう。

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