心筋梗塞の検査・心電図
心電図検査については、成人の殆どの方が健康診断等で受けた経験があると思いますが、心電図検査とは心臓の電気信号を波形にしたものを記録して心臓の異常を診断する検査です。
両手、両足と胸に心電図の電極と言われるものを全部で10箇所につけて検査しますが、心臓を12方向から見た、心臓の電気信号を記録するためにこれだけの電極が必要になってきます。
つまり、心臓の電気信号の波形は12種類記録され、この12種類の波形を見て心臓の状態を診断します。
心電図は確定診断ではありませんが、この疾患ならこういった波形が、あの疾患ならああいった波形といったように、疾患によってだいたい波形の形が決まってくるので、その波形の特徴をみれば、だいたいどの疾患であるかの予想がつきます。
心筋梗塞の場合には最初に心電図検査で心筋梗塞特有の波形の変化があるかどうかを確認します。
心筋梗塞の心電図の特徴的波形は、
- ST上昇
- 異常Q波
- 冠性T波
の3つの変化です。これらはこの順序で心電図状に変化として現れます。特に異常Q波は心筋の壊死部分を表しているため、この波形から心筋梗塞が心臓のどの部分まで起こっているかを判断することができます。
また心筋梗塞同様に胸痛が主症状の狭心症ではST低下を心電図で認めます。
心電図検査は、電極をつけるだけなので、特に痛みもなく、だいたい5分くらいで検査は終わりますので、定期健康診断以外でも、心臓に不安をお持ちも方はこまめに受診されることをお奨めします。