動脈硬化性疾患の診療ガイドライン
動脈硬化ガイドラインとは、現時点では日本動脈硬化学会が2007年に発表した「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2007年版」のことを指します。
前回の「動脈硬化性疾患診療ガイドライン2002年版」の内容を、国内外の臨床研究で得られた新たな証跡を取り込んで改訂したものになります。
●脂質異常症の診断基準
診断基準の数値そものものは変更ありませんが、総コレステロール値は診断に用いないことになりました。
これは、総コレステロールは善玉のHDLコレステロールも含んだ検査値で、HDLコレステロールが多いために総コレステロールの値が高くなっている場合でも病気と診断してしまう可能性があるからです。
●高脂血症⇒脂質異常症の病名改変について
従来「高脂血症」と呼んでいた病態を「脂質異常症」と呼ぶように提言しています。
これは「高脂血症」だと、善玉のHDLコレステロールが少な過ぎる状態を指す「低HDLコレステロール血症」を含む病名としては紛らわしいためです。
●脂質異常症の治療目標と治療法について
脂質異常症の治療目標については、一次予防(心筋梗塞や狭心症などの動脈硬化性の病気を起こさないための治療)と二次予防(動脈硬化性の病気を再発させないための治療)に大きく二分し、一次予防についてはさらに、危険因子の数によって低リスク、中リスク、高リスクに三分したうえで、それぞれの管理目標が設定されています。
動脈硬化の元は、高脂血症(脂質異常症)などの生活習慣病が引き金となっており、動脈硬化を防止するには、食事、運動をきちっと行い、規則正しい生活を実行することが重要になります。