糖尿病の食事療法

糖尿病の患者さんは,必ず食事療法が必要です!
なぜなら,食べ過ぎで膵臓を酷使するとインスリン(膵臓[すいぞう]から出されるホルモン)の働きが低下して高血糖状態になるからです。
インスリンの働きにより、筋肉や細胞の受容体が糖分を取り込んで利用するのですが、過食や肥満・運動不足などにより受容体の働きが鈍るので、せっかくインスリンが出ても糖分の利用が難しくなります。
それでも膵臓はインスリンを出そうと頑張って働き続けるのですが、症状が進むと最終的にインスリンをうまく出せなくなってしまいます。
また、食事療法をしないで経口血糖降下剤に頼ると,さらに膵臓に負担をかけ続け,インスリンの分泌もどんどん低下していきます。最も多く使われている経口血糖降下剤は,膵臓からのインスリン分泌を促進する働きを利用していますので,膵臓を酷使しその結果さらに膵臓が弱ってしまいます。
さらに、食事療法をしないでインスリン注射でむりやり血糖コントロールする方もいらっしゃいますが、その場合はどんどん肥満傾向になり,体脂肪が増えるとインスリンの作用が弱くなり,より多くのインスリン注射が必要になります。
この悪循環で,際限なくインスリン量は増え,高度の肥満になります。

糖尿病の制限食(糖尿病食)

糖尿病の制限食(糖尿病食)は食べてはいけないものはありません。
何でも偏りなく,量を加減して食べるというものなので、これは糖尿病の方に限らず,生活習慣病を予防する全ての方に奨められる健康食です。
糖尿病食は,かなりエネルギーを制限された過酷な修行のようなものだと思われがちですが,決してそのようなことはありません。カロリー計算がちょっと面倒かもしれませんが,慣れればたいした労力ではありませんので大丈夫です。
また「空腹感との戦い」と考えられがちですが,1ヶ月間真剣にとりくめば体がなれてきますし、今テレビ等で話題のタニタ食堂レシピ等も参考されるといいでしょう。
そして最近話題となっているのがドロドロ血液をサラサラに浄化する作用を持つ栄養機能食品ですが、先ほどのタニタ食堂レシピや糖尿病食とうまく組み合わせることで、さらに効果的な食事療法が期待できます。

お腹が減る理由

おなかが減る(空腹感を感じる)理由は,胃の中が空っぽになるからではありません。
通常は,食後2時間もすれば胃の中は空になっていますが、2時間おきに食事をする人はまずいないですよね。
普通の人であれば1日3食というのが食事の基本になっています。ではどうして普通1日3食で十分なのでしょうか?
それは,血糖値に大きく関わっています。 完全に解明されているわけではありませんが,脳には摂食中枢があり,血糖値が下がってくると空腹感を感じます。しかし、どこまで下がれば空腹と感じるかは,人によって大きく異なります。
この閾値が高い方は若い時から食べ過ぎて肥満になります。 糖尿病の方は特にこの中枢が高血糖に麻痺してしまっていて,閾値がかなり上昇してしまっています。
この閾値を下げるには,まずは1ヵ月間頑張って空腹感に耐えなければなりませんが、必ず慣れてきますので頑張って継続することをお奨めします。

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