脳梗塞の前兆
脳梗塞は、脳の血管が詰まる病気の代表例となる病気ですが、この脳梗塞は脳血管障害疾患(脳卒中)の約7〜8割を占めていると言われています。
脳血管障害疾患全般的にそうですが、脳梗塞も突然発症し、数分から数時間で急速に症状が進みます。
脳梗塞となってしまった部分については、すでに脳細胞が壊死(死んでいる状態)しているために再び回復させることは困難となります。
脳梗塞の前兆として、約1/4の割合で「手足に力が入らない」「ろれつが回らない」「言葉が一瞬出てこなくなる」「激しい頭痛がする」「重いめまいがする」「ものが二重に見える」などの症状が現れます。
これらは一過性脳虚血性発作(TIA)と呼ばれ、2013年6月に人気デュオ「CHAGE and ASKA」のASKAさんが罹って話題になりましたが、小さな血栓が一時的に血管を詰まらせることで起きる症状です。
一過性脳虚血性発作(TIA)は、時間にして数分から数十分程度であり、一日もたつと症状がおさまってしまうことからそのまま病院に行かない人も多く、これが事態を悪化させている原因の一つになっているようです。
ですから、一旦は良くなったように見えてもこのような前触れ症状があった場合には脳梗塞を疑い、一刻も早く脳神経外科を訪れて検査を受ける必要があります。
このような症状がみられる段階ではまだ脳梗塞の前段階となる脳虚血の状態であることが多いため、検査でふさがった血管を見つけて血栓を取り除き、血流を再開させることができる場合もありますので、これによって脳の活動を再開させ後遺症も最小限に抑えることができます。
脳血管障害疾患の場合、一般に時間が経てば経つほど障害が広がり、後遺症も重くなるという特徴があります。
つまり、危険信号をキャッチして早期治療に至るかどうかがその後の病状を大きく左右することになるため、必ず病院に行ってCTやMRI・MRAによる脳の画像診断・検査を行うことが重要になってきます。
一過性脳虚血性発作(TIA)以外の前兆
一過性脳虚血発作(TIA)の症状が該当しない残り3/4の脳梗塞患者にも何かおかしい前兆が見られる場合があります。
その主な症状は以下のようになりますが、それらの症状がいくつかある場合、脳梗塞を起こす可能性がありますので、直ぐに病院に行き、症状を医師に伝えましょう。
これらが脳梗塞の前兆だとしたら、発作を未然に防ぐことができますので、本当に面倒くさがらずにまずは病院へ行きましょう!
- 常にめまいや耳鳴りがし、手足にしびれを感じる。
- 前触れもなく頭痛や肩こりが起こる。時々顔や唇がしびれる。
- 何もないのにつまづいたり足がもつれる。
- 人の話していることを正しく理解ができない。
- 物忘れをするようになった。一時的に意識が遠くなることがある。
- 指先がスムーズに使えない。文字が思い通りに書けない。字が下手になった。
- 食べ物を飲み込みづらくなったり、むせやすくなった。
- 精神(うつ病など)や行動(急に笑い出すなど)が不安定になった。